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第6回 神奈川県愛甲郡清川村周辺

音を聴くには下の写真をクリックしてマイクアイコンをクリックしてください
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写真上のマイクアイコンの位置で録音しました

録音情報
2007年12月20日(木) 19時35分〜(10分間)

GPS情報
(WGS 84)

取得できず

 

雑  記

 神奈川県北部の清川村にある宮ヶ瀬湖の湖畔に日本最大級のクリスマスツリーがあると聞き、さっそく音を録りに行ってきた。
日がどっぷり暮れた中を車でひたすら走る。街の明かりも遠く消え去り、人家の明かりもまばら……。車のライトをハイビームにしないと先が見えない程の真っ暗闇を走り続ける。
こういう状況では人間誰しも次第に心細くなってゆく。そしてだんだん悲しくなってゆき、だんだん後悔の念が頭をよぎる。「大体真っ暗で写真なぞ撮れんだろ!」とか「どうせキャーとワーしか録音できんだろ!」と一人ツッコミが始まる。
  そのうち「虹の大橋(にじのおおはし)」という長い橋を渡りだしたそのとき……

「!」

 こりゃすごい……。いやいやすごい……。
左前方にまばゆいばかりの光の一帯がある。事故りそうだ。
吸い込まれるように光の方向に進んでゆき、駐車場へ車を入れた。

 宮ヶ瀬湖(みやがせこ)は2000年に竣工された宮ヶ瀬ダムに伴って出来た人口湖である。
  ダム建設というものはご存知のとおり、長年そこに住み続けてきた地域住民に多大な犠牲を強いるものである。このダムの建設に際して1000戸以上の対象住民が自分の土地を手放したらしい。いくらお金を積まれても先祖代々の土地を手放したくないのは当然のことである。断腸の思いだったに違いない。

 ダム建設に犠牲を強いられるのは人間だけではない。動植物もまた生活環境を180度変えられてしまう。実は人間よりもこちらのほうが深刻である。なぜなら人間は環境が変わっても生きていけるが、動植物にとってそれはそのまま生死に直結するからである。

 さて車を降りて広場に向かう途中はすでに人だかりで、「水の郷商店街」では多くの出店が軒を連ねていた。たこ焼き、肉まん、豚汁などの湯気が鼻をかすめる。空腹を感じないわけではないが早く録音ポイントを見つけなければならない。目もくれず目標に向かう。この辺がこの道楽のつらい所だ。「だったらやめればいいじゃないか」という一人ツッコミにも目もくれない。

 「宮ヶ瀬ジャンボクリスマスツリー」は堂々と聳え立っていた。30メートルを超えるという「もみの木」だ。やはりクリスマスツリーは生木に限る。何か神々しさを感じる。「けやき広場」へ降りるメイン階段は電飾のアーチになっている。当節流行のLEDだ。巨大ツリーの周りは人が近づけないようになっており、唯一湖畔を走るロードトレインのみがツリーの近くを走っている。

 写真を見てみると、左側に見えるのがメイン階段で光のアーチが見える。ほぼ中央に写るのがジャンボツリー。写真で見ると小さく見えるが、実はバカでかい。ツリーの右下に光の帯が見えるが、これがロードトレインである。つまりこの高さがほぼ人の身長に近い。この方向にマイクを設置。写真を見てさぞかしロマンチックだろうと思うかもしれないがかなり騒々しい。

 閑話休題---携帯GPSが壊れた。……かもしれない。POWERを押してもすぐに落ちる。予備電池に交換するもすぐに落ちる。なんでだろ……。この日はすでに氷点下。こういう精密機器は低気温にことさら弱い。おまけに使用電池はリチウムイオン。これまた低気温にオニのように弱い。と悪条件が重なった結果、データを取得できず。スミマセン。

 この湖畔の東側にはビオトープが整備されている。ビオトープとは動植物が生息できる空間である。すなわちダム建設によって動植物の生活環境の多くを破壊した償いを与える場である。動植物はここで失われた生活の場を作り、同時に人間はツリーを見て平和を感じる。ダムとの共存を模索する側としては一定の成功を見ているのではないだろうか。
  かつて自分の土地をダムに捧げた人たちが今日のツリーを見て心から笑っていることを祈りつつ家路に向かった。

(音については触れずじまいかい!と一人ツッコミ)

2008年1月1日 熊谷昌朗

※MacOSX環境の方はこちらを参考にしてください。